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Author: kasa
• 火曜日, 3 月 27th, 2012

あさって29日(木)、 「原子力規制庁の発足に向けた第2回市民会議」が東京で開催されます。そこでの発言要旨を下記に紹介します。

国民参加型の原子力規制行政を一日も早く確立しよう

NPO地域づくり工房 代表理事 傘木宏夫

 私が代表を務めるNPO地域づくり工房(会員132名)は、長野県大町市(人口3万人弱)を拠点に、原子力や火力などの巨大発電に依存しない地域づくりをめざして、ミニ水力発電やバイオ軽油燃料、風穴を利用した天然冷蔵庫など、地産地消型エネルギーの開拓・普及に努めています。また私は、1990年~2002年にかけて、大気汚染公害被害者運動の支援や公害地域での環境再生の活動に従事してきました。現在、環境アセスメント学会の理事も務めさせていただいています。

1.第1回市民会議での私の論旨
 第1回市民会議(1/24)で私は、「環境省の外局らしい機能と権限を」という発言要旨を配布しました。それは、公害行政の経験を活かして、①未然防止のための手続きの強化、②被害者救済制度の確立、③操業停止命令権を含む指揮・監督権の明確化を柱としています。そして、対策が現場に即したものとなるように、地域に窓口と権限を持たせ、それらを国民の参加により推進することを提起しました。
 また、討議を通じて、環境基本法において放射能汚染対策を位置づける改正を早急に行い、環境行政全般において原子力規制行政が行えるようにするべきであることを提起させていただきました。

2.この間の情勢等から考慮すべきこと
(1)組織をめぐる国会論戦
 第1回市民会議が開催された同じ日に、民主党内部の会合により「安全庁」ではなく「規制庁」に名称が変更されました。この時点では4月1日より新しい規制庁が発足することを疑わなかったのですが、国会論戦が続けられていて、発足のめどが立っていないという状況にあります。
(2)現在も進行中のリスク
 一方、大震災から1年を経ても大きな余震がたびたびあり、被災地をはじめ国民の不安が収まることがありません。修復・解体ができていない福島第一原子力発電所の直近で大きな地震が発生したら、というリスク設定はあってしかるべきです。

3.参加と協働の原子力規制行政を
(1)「環境省の外局」ではいけないのか
 私が、第1回市民会議で、「環境省の外局らしい機能と権限を」と強調したのは、次の3つの理由からです。
①従来の原子力行政が「一般環境への影響はありえない」という前提に立っていたことが根本的な問題であり、それが大きく転換されること。
②環境省は、公害や環境破壊の未然防止から被害補償に至る対策に蓄積があり、まさに原子力行政に今一番必要なノウハウであること。
③環境省は、他省庁に先駆けて参加型行政を率先し、環境基本法の基本理念にも掲げている。今の原子力規制行政に最も必要な観点であること。
 野党などから、国家行政組織法第三条に基づく行政委員会として設置するという対案が示されています。これも良い案ですが、緊急性の高い課題が山積している中で、新体制への移行を遅らせなければならない理由にはならないと考えます。
 環境分野での三条委員会としては公害等調整委員会(総務省の外局)があり、都道府県にも同様の委員会が設置されています。しかし、公害被害者運動の世界では「役に立たない」ものの代名詞です。運よく被害に寄り添える感性のある仲裁委員が選任されれば少しは違った展開も期待できますが、多くの場合、とりわけ原因事業者が行政機関である場合はなおさら、事業者よりに終始してきました。
 私は、環境省の外局であることは問題の本質ではないと考えます。一般環境に被害が及んでいる現実を踏まえた再構築が議論の中心となるべきです。
(2)第三者性は「参加」によって担保を
 原子力規制庁であったとしても、三条委員会であったとしても、その第三者性を確保するには、組織運営の透明性が大前提としてあり、そしてそれが国民の参加により監視され、国民との協働により開かれた対策となることが重要です。
 そこで私は以下のことを提起します。
 ①原子力規制庁の運営に係る審議会や各種対策に係る委員会について、国民からの公募による委員を複数名確保すること。
 ②原子力に係るリスクコミュニケーションの事業を柱に据え、国民との対話・学習を、地方機関や教育行政、環境NPO・NGOとの連携により展開すること。
 ③原子力関連施設への立入調査やモニタリング、健康被害のサーベイランスなどについても、国民の参加を求めて、透明性の高い事業とすること。
 また、原子力規制庁の発足に向け、また発足後も、原子力規制行政のあり方について、このような市民との対話の場を各地で開催していくことを要望します。

おわりに
 第1回市民会議の発言要旨でも紹介した米国原子力委員会の初代委員長・リリエンソールの著書『TVA~民主主義は前進する~』から再び引用します。
民主主義の理念の下に公私いろいろの事柄を取り扱う行政者の仕事の一つは、現代の科学と技術を素人の手にもってくる方法を工夫することである。」(岩波書店版149頁)
 原子力規制行政は科学的な高度で難しい問題を扱いますが、それゆえに住民の学習と参加の視点を常に忘れないようにしてほしいと思います。

以上

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