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Author: hige
• 火曜日, 10 月 28th, 2014

10月23日、自然エネルギー大北地域協議会主催の地域小水力発電施設の見学会に参加しして来ました。いつもは工房のエコツアーで皆さんを案内する側ですが、今回は神妙にして現場の方々の解説をお聞きしてまいりました(^^;

当日は、関係者約40名でバスに乗り合わせて4箇所の施設を廻りました。予定の午後は、お天気も回復し、紅葉真っ盛りの中、快適な遠足気分?を満喫(^^;

見学コースは、白馬平川小水力発電所(建設中)⇒東電・大町新堰発電所⇒昭電・常磐発電所⇒大町市・町川発電所とそれぞれの頭首工等でした。

目的地への道中、バスの中で信大工学部准教授・飯尾先生の解説がありました。氏には以前工学部の公開講座でお世話になる機会があったので、この後、技術的な情報交換をしました。

最初の見学地は、白馬村と同土地改良区が主体となって既存の頭首工堰堤と農業用用水路を利用して計画された、平川上流(HAKUBA47より数十メートル上流)の有効落差29.4m、常時出力120kw、横軸フランシス水車使用の流れ込み式発電所です。県のモデル事業的な位置づけの計画ですが、用途が系統への売電主体であることや水路の改修費等もあり、同程度の規模の大町市・町川発電所に比較して若干コストパフォーマンスに劣る(計画総工費概算4億円)感じがしました。ただし、今後、出力200kw未満の規模の小水力では土地改良区と行政がコラボするこうしたスタイルのプロジェクトが主流になっていくものと思われます。

白馬・平川堰堤

白馬・平川堰堤

堰堤下・チロリアン式取水スリット

堰堤下・チロリアン式取水スリット

平川・計画説明の様子

平川発電計画・解説の様子

東電の大町新堰発電所は今回初めての見学でした。縦軸4射ペルトン水車(1,129kw、429rpm)が設置された発電所本体はさすがにりっぱなものでした。元々、工房でも大町市に提案していたほど抜群な立地条件の場所でしたから申し分のない発電施設でしたが、除塵のための自動除塵機導入や沈砂池改造、導水路の全面暗渠化等に相当の費用を要したものと思われます。また公称最大出力が1,000kwとなっていますが、灌漑水利に従属する発電水利の為、非灌漑期は出力が半分以下に落ちてしまうのが残念なところです。とは言え、大手電力会社がこれだけの投資を行っても十分採算性が確保できると判断した「水力発電」は、やはり再生可能エネルギーの中でも卓越した経済的優越性の証明でもあります。
東電・大町新堰発電所外観

東電・大町新堰発電所外観

発電所内部の様子

発電所内部の様子

工房では、この発電所上流の導水路分水工や、使用済用水が放流される下流で廉価な小落差発電の可能性を探っています。
この後、昭電の大出頭首工~常磐発電所を見学。
こちらは私たちが「小水力」と呼ぶにはチョット大きすぎる規模で、最大出力:10,700kw、常時出力:3,700kw、最大使用水量:17.8立方メートルというものです。
大町地域の用水路の充実振りはこれら昭和電工や東京電力の発電所建設に負うところが大きいです。
昭電・大出頭首工

昭電・大出頭首工

歴史を感じさせる常磐発電所内部

歴史を感じさせる常磐発電所内部

今回の見学でも再確認したところですが、これまで、国を挙げての「再生可能エネルギー導入促進策」であるにも拘らず、相変わらず小水力の普及は足踏み状態が続き、一方で大型太陽光発電に大きく偏ってしまった結果には何か重大な制度欠陥があるとしか思えません。その一つは、この制度が残念ながら極小規模水力発電を含む、地熱、バイオマス等の新技術開発になかなか貢献できていない点があると思います。

工房では今後も、他地域には無い、大町市の優れたインフラである農業用水路を活用したマイクロ水力発電の普及を目指して行きたいと思います。

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2 Responses

  1. higeさんお疲れ様でした。
    ありがとうございました。

  1. [...] 今回は、主に農業用水路を使用した施設を中心に発電所2ケ所、大町市内の適地候補地1ヵ所の見学と意見交換会というプログラムでした。 土地改良区が主体となって行っている、あるいはこれから行う計画という事で、まさに工房の「くるくるエコプロジェクト」の今後の企画に格好の材料に為ろうかと。先ごろのレポート(白馬平川小水力発電所) も白馬村の土地改良区の企画であったようです。 [...]

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